2010年11月07日

車輪の国、向日葵の少女 レビュー

今回は車輪の国、向日葵の少女をレビューします。このゲームは、あかべぇそふとつぅより2005年11月25日に発売されたアダルトゲームですが、アダルトらしさはほとんどなく、ストーリーに比重を置いたある意味重い雰囲気の作品に仕上がっています。

GOOD!

【オリジナリティー 5】
いままでの恋愛アドベンチャーで恋愛を妨害するモノは恋敵であったり、生活環境であったりするのが普通でしたけれど、「社会」というか「国家」といった大それたものが立ちはだかった恋愛アドベンチャーは記憶にありません。
この今までにないパターンとストーリーの秀逸さから、どんどん先を見たくります。
とにかく先の展開が全く読めないのでその分ストーリーに没頭することができました。

●三ツ廣さち(みつひろ さち) 特殊な薬を使い、疲れの取れない強制的な眠りを強いられる「1日が12時間しかない義務」を持つ明るい元気系の少女。かつては絵画で賞をとったこともあるが、とある出来事をきっかけに自堕落に陥り現在はネット為替にはまる毎日を送る。ひまわり畑で出合った少女まなと一緒に生活している。

まなとの感動的なシーン
車輪の国、向日葵の少女_三ツ廣さち.jpg

【熱中度 4】
ジャンルこそ恋愛アドベンチャーでありながらも、そのジャンルを超えたサスペンスといっていいほどの緊迫感を味わえました。
「法月」といった絶対的な存在が、その登場毎に恋愛アドベンチャーでは実はよくある「中だるみ」のし易い部分を吹き飛ばしてましたので、常に緊迫感が維持されてました。
また、ヒロインの3人も普通の人とは違う「特別な義務」を背負っていることが、他の恋愛アドベンチャーでみるヒロインとの大きな違いで、その危うい部分がいつ問題を引き起こすのかもしれないので緊張感をもってプレイすることができました。

●大音灯花(おおね とうか) 親権者の命令を強制される「大人になれない義務」を持つ少女。母親である京子の命令でクラスの委員長を務めるが、性格はややうっかり者。

うっかりやさんで時には厳しいことも言うけど根は優しい灯花。
車輪の国、向日葵の少女_大音灯花.jpg

【ボリューム 4】
個々のヒロインのストーリーはそれぞれかなりのボリュームで、それに姉の樋口璃々子やPC版ではファンディスクだった法月将臣のストーリーもあります。
ただ、基本的に繰り返し遊ぶという観点ではストーリーが一本道で核心部分以外でのあまり変化がみられないことから2回目以降のプレイではやや単調さを感じてしまうかもしれません。

●日向夏咲(ひなた なつみ) 異性と接触してはいけない「恋愛できない義務」を持つ少女。おどおどしており、一人を好む。

主人公との出会いのシーン
車輪の国、向日葵の少女_日向夏咲.jpg

【ストーリー 4】
とにかく最初から、サスペンスのような謎が多くそれを出し惜しみしていません。
例えばヒロインにとっては主人公の森田賢一はジキルとハイドような存在なのですが、それが謎なのかなとおもったらほんとに最初の方でけっこうあっさりとわかってしまい、謎は主人公だけに止まらず、主人公の家族の過去、そしてヒロインの過去やその住む田舎町の過去、果てには国家の過去にまで話が及びます。
そのつらい過去のために主人公やヒロインだけでなくこの町そのものがそれぞれに深い傷抱えているといってもいいのです。
主人公もヒロインもなんとかその過去から抜け出そうとも必死にもがきます。
でも圧倒的な力がそれを阻んできます。
でもそれを懸命に乗り越える様が、このゲームでの感動を呼ぶのだと思います。

●樋口璃々子(ひぐち りりこ) 主人公の姉にしてかなりのS。このゲームのエロ部分でのメインキャラ?w

主人公にとっては不可欠ともいえる存在。
車輪の国、向日葵の少女_樋口璃々子.jpg

BAD

【グラフィック 3】
同じ5pbさんの最近出た恋愛アドベンチャーの背景などはこのゲームよりも1ランク上です。
特に商店街や洞窟の中などをみると、2005年に出たゲームとして捉えれば問題ないのかもしれませんが、最近の同種のソフトと比較するとどうしても落ちます。
キャラクターの絵も少なく、口パクもしないためやむを得ないこととはいえ旧さを感じました。

【サウンド 3】
個人的にはボーカル曲もバックグラウンドの曲もあまり印象には残りませんでした。悪くは全然ないんですけどね。特に終盤での急展開での際の曲は雰囲気にあっててなかなかでした。

COMMENT

恋愛アドベンチャーという枠には収まらない、いやむしろ恋愛のほうがサブなのではないかと思えるくらいストーリーの密度が濃いゲームでした。
たしかにヒロインがいてそれぞれと結ばれるエンディングはあります。
でも普通の恋愛アドベンチャーの場合では単なる「恋愛成就」みたいなパターンで終ることが多いですが、このゲームでは主人公とヒロインが本当の自由を得ることができたということがむしろ恋愛よりも比重が大きいです。
あと恋愛アドベンチャーではお決まりのお笑い男キャラはこのゲームにも出てきます。
でも全然お笑いではなくて「妄想癖のある準備のいいお助けキャラ」でした。
全然笑えなくて性格がころころ変わるのに準備がよく都合がいいときに現れるキャラでした。
なんかあまりに「場をつなぐためのキャラ」に感じたので少し気分が引きました。
あとやはりところどころにゲームの旧さを感じる部分がありました。
PC版を遊んだ人にはそういう部分が残されてても良いのかもしれませんが、最新の5pbさんのアドベンチャーで遊んでいると、できればそういう旧さを感じる部分は作り変えて欲しかった思いました。
とはいえ感動的なストーリーとそのオリジナリティ決して色あせることはなく、遊んで自分の心に残るゲームでした。
普通の恋愛アドベンチャーに飽きてきた方にも、いままでにないこの独特の世界観とストーリーはきっと満足してもらえると思います。





posted by アイオリア at 00:00| Comment(0) | 車輪の国、向日葵の少女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。